場所:東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館3階 W935講義室
日時:2018年3月30日(金)、31日(土)
世話人:中村隆司(東工大)、田村裕和(東北大)、志垣賢太(広大)、 大西宏明(東北大)、高橋義朗(京大)、堀越宗一(東大)、肥山詠美子(九大)
主催:東京工業大学 理学院物 理学系 中村隆司研究室
協賛:新学術領域研究「中性子星核物質」
クォーク、ハドロン、原子核、原子、分子という微視的物質世界が、なぜこのような階層構造を
形成しているのかという問いは、いまだに解決していない自然科学の問題である。
しかしながら、この問題を直視して解決しようという試みはほとんどされてこなかったように思われる。
これは、各階層がほぼ完全に分離しているように見え、従来の研究が階層毎に独立して発展し、
その間に関連性が見出されなかったからである。
本研究会では、各階層に現れる「クラスター」という観点に着目して階層問題を議論したい。
各階層を特徴づけるのは、その階層の基本単位となる「構成粒子」とその間の「力」であるが、
この構成粒子が複合粒子系であれば「クラスター」と呼んでよい。例えば、原子核層の場合、
「核子」が構成粒子で、核力が「力」であり、この核子はクォーク3個からできた複合粒子系として
まとまっているので「核子クラスター」である。階層の進化は、粒子(クォーク)が集合・安定化(クラスター化)
し上部階層の構成粒子(核子)になる過程であると言える。
最近のハドロン物理、原子核物理の研究から、階層を超える研究が進展しつつある。原子核
をクォークレベルからQCDによって説明しようとする試みはその一つである。また、ハドロン層
においてはダイクォーク(というクラスター)が、原子核層においてはダイニュートロン(というクラスター)が
注目されるようになったが、こうしたクラスターを基本単位とした二次的な階層構造(サブ階層)
が階層構造の本質を理解する鍵になる可能性がある。
一方、最近、冷却原子系の相互作用を緻密に制御して、これを普遍的なフェルミ粒子系、ボーズ粒子系として
実験することが可能になりつつある。さまざまな冷却原子系を量子シミュレータ―として
階層をさぐるさまざまな粒子系を調べることができると期待されている。
本研究会は、こうした背景のもと、ハドロン物理、原子核物理、原子物理、分子物理の専門家を
結集して分野横断的に階層の問題を議論する機会としたい。
東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館3階 W935講義室
W935室は西9号館3階ですが、入口階が2階なのでご注意ください。
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