あぶすと
M1コロキウムアブストラクト草稿
我々中村研究室では、主に理化学研究所の不安定核ビーム施設''BigRIPS''を用
いて実験を行っている。不安定核ビームに限らず、荷電粒子ビームを用いた実験
においてビームの収束制御は欠かせない要素であり、電磁場を用いたビームの収
束制御技術一般をイオン光学(Ion Optics)と呼ぶ。

イオン光学においては運動方程式を多項式展開した''転送行列(Transfer Matrix)''
を用いて粒子の運動を記述する。
転送行列はその名の通り行列であるからその適用は運動方程式を解くより遥か
に高速に行え、多数の粒子を用いるモンテカルロシミュレーションには
欠かせない道具である。

本発表では、実際に転送行列を用いたモンテカルロシミュレーションを行うプロ
グラム''X-Lay''を開発し、それを用いて現在不安定核ビーム実験RIBF-55のアクセプ
タンス補正を行っているその経緯経過をまとめる。