東京工業大学大学院理工学研究科基礎物理学専攻中村研究室メンバー

ホームページおぼえがき > オシロスコープ

オシロスコープ

オシロスコープに関するおぼえがき。
(制作中。わからないところ多し。間違いが有る可能性大。)

オシロスコープ概要

オシロスコープは、目に見えぬ電気信号を目に見える形に変換するものである。詳しく言うと、ある時刻からある時刻までの間(Δt)における電気信号の電圧の値を、時間の関数として2次元の画面に表示する装置である。Δtというのは、大抵1msecや、数100nsecといった時間であり、すべての時間に対して電圧の値を表示することは出来ない。すなわち、オシロスコープとは、入力信号の電圧の時間変化を、ある時間Δtだけ切り取って表示する装置である。(Δtを1sとかに設定すれば、すべての時間に対して表示可能?)

上で書いたとおり、オシロスコープで電気信号を見るときは、信号の電圧の値を見ることになる。これは、そもそも信号の伝送というのを、電圧の伝送として捉ることによる(?)。よって、信号を観察する場合、ケーブルを流れる電流にはあまり興味がない。電流を知りたい場合は、ケーブルの端に繋いだ装置の抵抗(これをターミネータと呼ぶ)の値を調べ、その抵抗値とオシロスコープで見た電圧値から、オームの法則に従い電流を計算する。よく用いられる抵抗の値は50Ωである。1MΩというのもあるが、どういうときに使うのかよくわからない。早い信号を見るときは、50Ωの抵抗を用いる。IMΩの抵抗では、電流が流れにくいため(?)、信号の形がなまる。

オシロスコープの画面は、横軸が時間、縦軸が電圧をあらわす。横軸の右方向と、縦軸の上方向が正方向であり、一般的なxy平面の座標系と同じである。よって、オシロスコープ画面上の左側にある信号は、右側にある信号よりも早くにオシロスコープに入ったことになる。

オシロスコープの使い方

以下では、中村研でよく使用するオシロスコープ、Tektronix TDS3052について書く。

オシロスコープの入力端子にケーブルを繋ぎ信号を観察する場合、オシロスコープの操作は主にVOLTAGE, TIME, TRIGGERの3つに関するところしかいじらない。以下、3つの操作について書く。

■ VOLTAGE

電圧に関する設定をする場合、VOLTAGEと書かれた領域内で行う。大きな電圧(例えば数V)の変化を見たい場合は、VOLTAGEのつまみを1Vにあわせる。そうすると、画面上の縦軸の1マスが1Vになる。逆に小さな変化(数mV)を見るには、つまみを左の方に回し、1mVにあわせる。言い換えると、縦軸方向の表示を拡大し電圧のより小さな変化を見たい場合はつまみを左に回し、表示を縮小しより大きな変化を見たい場合は右に回す。

POSITIONのつまみで、グラフが上下に移動する。

VOLTAGE領域内のMENUボタンを押すと、より細かい設定が出来る。実際に設定を行うには、MENUボタンを押した後、画面上の下側と右側に表示される設定項目を見ながら、その項目に対応するボタン(画面の下と右にいくつか配置してある)を押す。タッチパネルではない。

ターミネータで、入力に対する抵抗の値を50Ωか1MΩに設定できる。50Ωに設定すると、ケーブルから見たオシロスコープが、50Ωの抵抗であるかのように見える。

AC/DC/GNDでは、入力する信号の種類を選択する。ACは交流、DCは直流、GNDはよくわからない。検出器からの信号や、ロジック信号を見る場合は、DCを選択する。

■ TIME

時間に関する設定をする場合、TIMEと書かれた領域内で行う。長い時間(例えば数msec)の間における電圧の変化を見たい場合は、TIMEのつまみを1msecにあわせる。そうすると、画面上の横軸の1マスが1msecになる。逆に短い時間(数nsec)における電圧の変化を見るには、つまみを左の方に回し、1msecにあわせる。言い換えると、横軸方向の表示を拡大しより短い時間における電圧の変化を見たい場合はつまみを左に回し、表示を縮小しより長い時間の変化を見たい場合は右に回す。

POSITIONのつまみで、グラフが左右に移動する。

■ TRIGGER

トリガに関する設定は、TRIGGERと書かれた領域で行う。トリガとは、オシロスコープに入力される信号の電圧が、ある一定の電圧(トリガレベル)を横切ったとき、その時刻の前後の電圧の変化(波形)を画面に表示するという機能(?)である。この機能を使うことを、トリガをかけるという(?)。

トリガを用いると、見たい波形を選んで表示することができる。

TRIGGERのつまみを回すことによって、トリガレベルを変更することが出来る。

TRIGGER領域内のMENUボタンを押すと、より細かい設定が出来る。AUTO/NORMALでトリガの種類を変えられる。NORMALにすると、トリガがかかったときのみ波形を表示するが、AUTOにするとトリガがかからなくとも(すなわち、波形がトリガレベルを越えなくとも)、一定時間経つとオシロスコープの内部で自動的にトリガ信号が発生し、波形を表示する。よって、トリガがまったくかからない場合、NORMALにすると画面はまったく変化しないが、AUTOにすると頻繁に波形が表示される。逆に、トリガが頻繁にかかる場合、NORMALとAUTOの画面の見え方はあまり変わらない。

SLOPEで、信号の立上がり時にトリガをかけるか、立下り時にかけるかを変更できる。立上がりのことを正のスロープ、立下りのことを負のスロープと言う。

参考文献・webページ


ページ制作履歴
2007/12/02 制作開始
2007/12/04 webにアップ