Scientific Linux 6.4 Install from USB
Scientific Linux 6.4 (SL6.4) のインストール用USB メモリを livecd-iso-to-disk コマンド (livecd-tools 付属) を用いて Scientific Linux 6.3 (SL6.3) 上で作成した。さらに、この USB を用いて SL6.4 のインストールを行った。Linux 上でインストール用 USB メモリを作る方法はいろいろあるが、これが一番楽そう(詳しくは、下記のインストール用 USB メモリの作成方法を参照)。インストルイメージのサイズが 4 GB を少し越えるため FAT32 ファイルシステムでは保存できない。UNetbootin や Fedora LiveUSB Creator 、SYSLINUX を使う方法は、ファイルシステムが FAT32 でなければならないので、少し工夫をしなければならない(パーティションを分ける必要がある)。一方、livecd-iso-to-disk コマンドを用いる方法は、ファイルシステムとして ext3 を用いるため、インストーラとイメージファイルを同じパーティションに保存することができ、シンプルなインストール用 USB メモリの作成が可能である。livecd-iso-to-disk コマンドが出力するメッセージを見る限り、やっていることは extlinux コマンドを使った方法を自動的に実行しているだけのようだ。
Scientific Linux は Red Hat Enterprise Linux のクローンなので、同じクローンである CentOS でも同様の手順になるはず。主に [CentOS] USB install annoyances や USBメモリでブート ~livecd-iso-to-diskコマンド~を参考にした。最近の Fedora でも同じようにできるんだろうか?
インストール用 iso ファイル
- 以下のインストール用イメージファイル (iso ファイル) を使うので、まずこれをダウンロード。ファイルの保存場所はどこでも良い。理研からダウンロードすると早い。
- ちなみに、以下の 2つの iso を用いてもインストール用 USB メモリの作成が可能。上の iso との違いがいまいち分からない。何で上の方がが容量が小さいんだろう?パッケージが省略されている?少なくともデスクトップ環境なら上のイメージでインストール可能。
iso ファイル |
サイズ |
||
SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD1.iso |
4.2 G |
||
SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso |
1.2 G |
- 以下のメモでは、SL-64-x86_64-2013-03-18-Install-DVD.iso を用いたインストール用 USB メモリの作成方法を書いているが、SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD1.iso と SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso を用いてもほぼ同じ手順になる。(最後にSL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso を手動でコピーする必要がある。)
インストール用 USB メモリのサイズ
- 最終的に作成される USB メモリは、以下のディレクトリ/ファイルを含むため、最低 4.3 GB 程度 の USB メモリがあればよい。ここでは、 Silicon Power 製の 8 GB USB メモリ (P/N: SP008GBUF3M01V1B、USB 3.0 対応) を用いた。
ディレクトリ or ファイル |
サイズ |
images |
127 MB |
syslinux |
36 MB |
SL-64-x86_64-2013-03-18-Install-DVD.iso |
4.1 GB |
lost+found |
16 KB |
合計 |
4.3 G |
インストール用 USB メモリの作成
- 以下の手順を踏めば、インストール用 USB メモリが出来るはず。
- 管理者権限が必要な為、まずスーパーユーザになる。
$ su root の password を入力
- 以下のコマンドで livecd-iso-to-disk コマンドをインストール。yum コマンドでは、 -y オプションを指定するとパッケージのインストールをするかの yes/no が聞かれなくなる。
# yum -y install livecd-tools
- PC に USB メモリを挿す。そうすると、通常ならば自動的にデバイス (例えば /dev/sdb) が作成され、自動的にマウントされる。どのデバイスに割り当てられたかは、端末上で以下の様に dmesg コマンドを打てばわかる。
# dmesg ... csi 5:0:0:0: Direct-Access UFD 3.0 Silicon-Power8G 1.00 PQ: 0 ANSI: 6 sd 5:0:0:0: Attached scsi generic sg2 type 0 sd 5:0:0:0: [sdb] 15155200 512-byte logical blocks: (7.75 GB/7.22 GiB) sd 5:0:0:0: [sdb] Write Protect is off sd 5:0:0:0: [sdb] Mode Sense: 23 00 00 00 sd 5:0:0:0: [sdb] Assuming drive cache: write through sd 5:0:0:0: [sdb] Assuming drive cache: write through sdb: sdb1 sd 5:0:0:0: [sdb] Assuming drive cache: write through sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk SELinux: initialized (dev sdb1, type vfat), uses genfs_contexts $
- また、fdisk コマンドを使っても大体確認できる。
# fdisk -l ... ディスク /dev/sdb: 7759 MB, 7759462400 バイト ヘッド 239, セクタ 62, シリンダ 1022 Units = シリンダ数 of 14818 * 512 = 7586816 バイト セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes ディスク識別子: 0x53b0cd65 デバイス ブート 始点 終点 ブロック Id システム /dev/sdb1 1 1022 7571967 83 Linux
- これより、USB メモリが /dev/sdb に割り当てられたことが分かる。以下では、USB メモリが /dev/sdb に割り当てられたと仮定する。
- 以下のコマンドでインストール用 USB メモリの作成開始。iso のファイルパスと デバイス (/dev/sdb) を引数に指定する。 --format オプションで USB をフォーマットし、--reset-mbr で マスターブートレコード (Master Boot Record, MBR) をリセットする。これらのオプションつけないと、正しくブートできないときがあるかも。
# livecd-iso-to-disk --format --reset-mbr isoをダウンロードしたディレクトリ/SL-64-x86_64-2013-03-18-Install-DVD.iso /dev/sdb
- 途中で、
It is OK to use this media. WARNING: THIS WILL DESTROY ANY DATA ON /dev/sdb!!! Press Enter to continue or ctrl-c to abort
- と聞かれるので、 Enter を押す。
- 以上でインストール用 USB メモリの完成。
Everything-DVD を用いる場合
- Everything-DVD1 (SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD1.iso を用いる場合は、下記の livecd-iso-to-disk コマンド終了後、手動で SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso をコピーする必要がある。具体的な手順は以下の通り。
# livecd-iso-to-disk --format --reset-mbr isoをダウンロードしたディレクトリ/SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD1.iso /dev/sdb
- livecd-iso-to-disk コマンド終了後、 USB を抜き挿しする。SL6.3 の場合 /media ディレクトリ以下に /media/LIVE という名前で自動的にマウントされる。(マウントされない場合は手動でマウントする。)以下のコマンドでマウントされたか確認できる。
ls /media/LIVE SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD1.iso images lost+found syslinux
- liveSL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso を USB メモリにコピーする。下記のコマンド例では、sync コマンドを用いてコピーが(本当に)終わるのを待っている。ファイルをコピーする場合、ファイルの書き込みが終わる前に cp コマンドが終了する時がある。この場合、sync コマンドでバッファ内のデータをすべて USB メモリに書き込む。sync コマンドの終了が書き込みの終了に相当するようだ。サイズが大きいファイルのコピーの場合、sync コマンドもなかなか終わらない。ちなみに rsync コマンド (rsync --progress) を用いてコピーをすれば、コピーの進捗状況が確認できる。
# cp -v isoをダウンロードしたディレクトリ/SL-64-x86_64-2013-03-21-Everything-DVD2.iso /media/LIVE # sync #
- 以上でインストール用 USB メモリ(Everything-DVD 版)の完成。
USB メモリからインストール
- インストール用 USB メモリからブートする手順は以下の通り。 インストールの手順は DVD からのインストールとほぼ同じ手順となるので詳しくは Google で調べる。(CentOS-6.4 のインストール方法が参考になりそう。)
- USB メモリを PC に挿し PC を再起動
- DEL または F2 キーなどを押し BIOS 画面に入る
- USB から BOOT できるように設定する
- インストーラ開始
- 通常のインストール方法に従い、インストールを行う
- ちなみに、インストール中に Ctrl-Alt-F2 を押すとシェル画面に行くことができる。インストール中にトラブルがあったときにこれを使うと便利。Ctrl-Alt-F6 でインストールの画面に戻る。Ctrl-Alt-F3, Ctrl-Alt-F4, Ctrl-Alt-F5 を押すとインストーラがバックグラウンドで何をやっているかを確認することができる。
インストール用 USB メモリの作成方法
- インストール用 USB メモリを作成する方法として、以下のような方法が挙げられる。それぞれの特徴は以下のとおり。
UNetbootin を使う
Scientific Linux 6.3 (SL6.3), Windows で使えた。Mac でも使えるようだ。普通にインストールしようとすると、インストールメディアの 2 倍程度の容量の USB が必要(boot 用 iso (SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso) を併用すれば、もっと少ない容量でいける)。また、インストーラを保存するファイルシステムは FAT32 でなければならない。インストールイメージのファイルサイズが 4 GB を越える場合、FAT32 と ext3 パーティションを作る必要がある。
Windows で使えた。Linux (SL6.3) で使おうとしたがうまくいかなかった。普通にインストールしようとすると、インストールメディアの 2 倍程度の容量の USB が必要(boot 用 iso (SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso) を併用すれば、もっと少ない容量でいける)。インストーラを保存するファイルシステムは FAT32 でなければならない。インストールイメージのファイルサイズが 4 GB を越える場合、FAT32 と ext3 パーティションを作る必要がある。
- Linux(SL6.3), Windows で使えた。コマンドラインベースの操作となるため慣れるまで面倒。また、インストーラを保存するファイルシステムは FAT32 でなければならない。インストールイメージのファイルサイズが 4 GB を越える場合、FAT32 と ext3 パーティションを作る必要がある。この方法の利点は、次のようなことが挙げられる。
- すべて Linux 上でできる
- 容量が少ない USB でも OK (インストールメディアのサイズ + 500 MB 程度の容量が必要)
- Linux(SL6.3), Windows で使えた。コマンドラインベースの操作となるため慣れるまで面倒。また、インストーラを保存するファイルシステムは FAT32 でなければならない。インストールイメージのファイルサイズが 4 GB を越える場合、FAT32 と ext3 パーティションを作る必要がある。この方法の利点は、次のようなことが挙げられる。
- Linux(SL6.3) で使えた。コマンドラインベースの操作となるため慣れるまで面倒。この方法の利点は、次のようなことが挙げられる。
- すべて Linux 上でできる
- インストールイメージのファイルサイズが 4 GB を越える場合でも問題ない
- 容量が少ない USB でも OK (インストールメディアのサイズ + 500 MB 程度の容量が必要)
- Linux(SL6.3) で使えた。コマンドラインベースの操作となるため慣れるまで面倒。この方法の利点は、次のようなことが挙げられる。
- livecd-iso-to-disk コマンドを使う
- このページでは、livecd-iso-to-disk コマンドを使う方法について書いた。