USB ブート & ネットワークインストール (Scientific Linux 6.4)
USB メモリから Scientific Linux 6.4 (64 bit) のインストーラをブートし、理研のリポジトリ (http://ftp.riken.jp/Linux/scientific/6.4/x86_64/os/) を使ってネットワークインストールを行った。ネットワークインストール用の USB メモリは Windows 7 上の Fedora LiveUSB Creator を用いて作成した。Fedora LiveUSB Creator のインストール方法は本ページの下の方参照。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 6.X や CentOS 6.X の場合もほとんど同じ手順になるはず。
ブート用 iso ファイル
- ブート用イメージファイル: SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso (198 MB) を以下のサイトからダウンロード。ファイルの保存場所はどこでも良い。理研からダウンロードすると早い。
サイト |
URL |
http://ftp1.scientificlinux.org/linux/scientific/6.4/x86_64/iso/SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso |
|
http://ftp.riken.jp/Linux/scientific/6.4/x86_64/iso/SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso |
必要な USB メモリのサイズ
- 最終的に作成される USB メモリは、以下のサイズのディレクトリを含むため、最低 233 MB 程度 の容量の USB メモリがあればよい。512 MB の USB メモリで十分。
ディレクトリ or ファイル |
サイズ |
boot |
8.0 kB |
images |
198 MB |
syslinux |
36 MB |
合計 |
233 MB |
ネットワークインストール用 USB メモリの作成
- 以下の手順で、ネットワークインストール用 USB メモリが出来るはず。
Fedora LiveUSB Creactor を実行 (Fedora LiveUSB Creator のインストール方法は本ページの下の方参照)
- ちなみに、管理者権限で Fedora LiveUSB Creactor を実行しないと、以下のようなメッセージが表示されるが、これで問題なかった。気になる場合は、Fedora LiveUSB Creactor を実行するときに、アイコンを右クリックし、"管理者権限で実行"を選択すれば良い。
Warning: This tool needs to be run as an Administrator. To do this, right click on the icon and open the Properties. Under the Compatibility tab, check the "Run this program as an administrator" box.
- [ Browse ] ボタンを押し、ダウンロードしおいた iso イメージ (SL-64-x86_64-2013-03-18-boot.iso) を選択
- USB メモリを挿し、 Target Device の更新ボタンを押す
- USB メモリが認識されるので、その USB メモリを Target Device として選択
- 最後に [ Create Live USB ] ボタンを押す
- 数十秒で書き込み終了
- 終了する場合は、右上の [ X ] ボタンを押す
- これでネットワークインストール用 USB メモリの完成
USB ブート & ネットワークインストール
- 上で作成したネットワークインストール USB メモリを PC に挿し、PC の電源を入れる。
- 起動直後に Del キーや F2 キーを押し BIOS 画面に行く。(BIOS によっては、他のキーの場合もある?)
- ブートするデバイスの優先順位を設定できるはずなので、USB の優先順位を上げ、USB からブートできるようにする。(よくわからない場合は、 Google でマニュアルなどを調べる。古いマザーボードは USB からブートをサポートしていないので、その場合は諦める。)
- BIOS の設定変更を保存し、BIOS 設定画面を抜ける。
- 通常、PC が再起動される。(BIOS によっては、BIOS 設定画面から直接 USB ブートを行える。)
- USB からのブートが始まる。
- 以下の画面 ("Welcom to Scientific Linux 6.4!") が表示されるので、"Install or Upgrade an existing system" か "Install system with basic driver" を選択。(グラフィックデバイスによっては、どちらか片方しかうまく行かない場合がある。)
- 言語を選択。日本語環境をインストールしたい場合 "Japanese" を選択。矢印キーで上下左右の移動、Tab キーで言語の選択と OK / Back ボタンの間の移動ができる。下のようなメッセージが出るので OK を選択。次にキーボードの種類(言語)を選択。日本語キーボードなら "jp106" を選択。
- インストール方法を選択。ネットワークインストールをする場合 "URL" を選択。ネットワークデバイスが二つ以上ある場合は、右のような画面が表示される。 LAN ケーブルが繋がっているものを選択。 ワイヤレス LAN も選択できるが SSID や パスワードの入力ができないようなので使えない。
- ネットワークの設定。通常は DHCP サーバが立ち上がっているので、デフォルトで OK。ネットワークの設定が始まる。チェックをしたい場合は Space キーを押す。
インストール元を選択。理研を選択すると早いので、理研にする。URL を入力する場所に http://ftp.riken.jp/Linux/scientific/6.4/x86_64/os/ と入力。次のような画面になり4分程度でインストーラが起動する。
- グラフィカルなインストーラが起動
ストレージタイプの選択。デスクトップパソコンやノートパソコンにデスクトップ環境をインストールする場合は、"基本ストレージデバイス" を選択すれば良いはず。右のようなメッセージが出るので "はい。含まれていません。どのようなデータであっても破棄してください (Y)" を選択。
- root のパスワードを入力。パスワードが弱いと右のようなメッセージがでる。
- インストールするデバイスを選択。デュアルブートや RAID などを考えず、単純にパソコンに Scientific Linux をインストールする場合は "すべての領域を使用する" を選択すれば良い。
インストールするハードディスク (最近は SDD か?) を選択。ブートローダーのラジオボタンもチェックしておく。インストールに使った USB メモリも選択できるが、ここにインストールすれば USB 内のデータは消される。[ 次へ (N) ] ボタンを押すと、右のようなメッセージがでるので "変更をディスクに書き込む(W)" を選択。
インストールする環境を選択。"Desktop" を選択すると gcc コンパイラといった開発環境がインストールされない。"Software Developement Workstation" を選択すれば、コンパイラなども入る。"Desktop" を選択しても、インストール終了後に yum コマンドを使って開発環境をインストールすることができるので、ここではとりあえず "Desktop" を選択。"今すぐカスタマイズ(C)" をチェックすれば、インストールしたいソフトウェアのカスタマイズができるが、パッケージの競合が起き、インストールが良く失敗するので、"後でカスタマイズ(L)" を選択するのが無難。追加リポジトリーも後で設定すれば良い。
- ネットワーク越しにインストールが始まる。40 分程度で終わった。
インストール完了。USB メモリを抜き、[ 再起動(T) ] を選択。(USB メモリを抜かないと、再びインストーラが起動してしまう。)
- 再起動開始。以下の画面では、何もキーを押さず待っていればよい。その後ようこそ画面が表示される。ここから残りの設定をする。
- ユーザの設定。パスワードが弱いと、右のメッセージが出る。
時刻の設定。ネットワーク上のサーバーと時刻を同期する場合は "ネットワーク上で日付と時刻を同期化します(Y)" をチェック。右の画面が出る。NTP (Network time protocol) サーバを追加したい場合は追加する。デフォルトでも問題ない。
Kdump の設定。よくわからないのでデフォルト。右のような画面が出る。[ はい(Y) ] と [ OK(O) ] を選択。
- 再起動開始。以下の画面では、何もキーを押さず待っていればよい。ログイン画面に辿りつく。ユーザーを選択し、ログイン。
- デスクトップが表示される。
- よくわからない場合は Google で調べればいろいろでてくる。上記インストール方法は CentOS 6.X のインストール方法とほとんど同じはずなので、"CentOS 6 インストール" といったキーワードで調べると参考になりそう。)
参考: ネットワークインストールのモチベーション
Windows 上で Scientific Linux 6.4 (64 bit) の "普通の" (ネットワークインストール用でない) インストール用 USB メモリを作成しようとしても、なかなか大変。というのも、インストール用 USB メモリには、インストールイメージそのもの (SL-64-x86_64-2013-03-18-Install-DVD.iso) を保存してしておく必要があるが、このイメージのサイズは 4 GB を越えるため、FAT32 ファイルシステムでは保存できない。一方、Window 上でブート可能な USB メモリを作るツール (Fedora LiveUSB Creator、UNetbootin、 SYSLINUX など) は、FAT32 ファイルシステムしか扱えない。よって、パーティションを分けるなどの工夫をしない限り、Windows 上で Scientific Linux 6.4 の "普通の" インストール用 USB メモリは作成できない。そこで、イメージを USB メモリに保存する必要のない、ネットワークインストール用 USB メモリを作成することにした。
ただし、 Linux 上で EXTLINUX や livecd-iso-to-disk コマンド (livecd-tools 付属) を使えば、"普通の" インストール用 USB メモリを割と簡単に作れる。その方法は以下を参照。
livecd-iso-to-disk コマンドを使う (こちらの方が簡単) : Scientific Linux 6.4 Install from USB
EXTLINUX を使う : Scientific Linux 6.4 Install from USB using EXTLINUX
参考: Fedora LiveUSB Creator のインストール
liveusb-creator のサイトから Window 用のインストーラ liveusb-creator-3.11.8-setup.exe をダウンロードしてきて、実行。特に変更する項目はない。 [ 次へ(N) ] ボタンを押していけばよい。
インストーラの起動。[ 次へ(N) ] ボタンを押す。次にインストール先の設定(デフォルトでOK)。[ インストール ] ボタンを押す。
インストール完了。[ 次へ(N) ] ボタンを押す。終了画面では、LiveUSB Creator を起動するかを選択できる。最後に [ 完了(F) ] ボタンを押す。
- 上で "LiveUSB Creator を実行する" が選択されていれば、LiveUSB Creator が起動。